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Brian Behlendorf
1973 -
WEBサーバーの標準:アパッチ・プロジェクトの共同設立者
WEBサーバーの原型を最初に作ったのはHTTPやHTMLの仕様を考案した ティム・バーナーズ=リーだったが、1991年から1993年にかけて彼の仕様が公開されると、各地で独自のサーバープログラムやブラウザが作られた。特に米国イリノイ大学のNCSA(National Center for Supercomputing Applications)は先駆的な役割をはたした。 マーク・アンドリーセン 等のMosaicはここから誕生したし、今回話題とするApacheサーバーも実はNCSAが発祥の地となっている。しかし考えてみると、我々はもう何十年もまえから使っているような気がするほどインターネットに慣れてしまったが、一般に普及してから実はわずか5〜6年しかたっていないのである。
ApacheはいわゆるWEBサーバー(HTTPサーバー)としては、最大のシェアを持っており、 最も信頼されているプログラムである。また、Apacheは1人の人間が作ったのではなく、 多くのメンバーが参加して作り上げたもので、成功したオープンソース・プロジェクト として知られている。このApacheプロジェクトの立ち上げに参加し、現在もプロジェクト の運営に力を発揮しているのがブライアン・ベーレンドルフである。彼の略歴はいまの ところ入手できていないのであとでわかり次第追記したい。
1993年当時、イリノイ大学のNCSAにいたロブ・マッコール(Rob McCool)が HTTP/1.0に基づいて開発したHTTPデーモン(注1)があった。しかしマッコールは、設立されたばかりのネットスケープに引き抜かれて、1994年にNCSAを辞めてしまった。そのソースコードは仲間たちに引き継がれ、個々に必要な修正(パッチ)やバグ・フィックスを行っていた。ベーレンドルフもそうした仲間の一人だった。1995年になってベーレンドルフはクリフ・スコルニックとともに、ソフトのアップデ−トを集中管理できるような方法をとった方がいいのではないかと提案した。2月になって8人のメンバーが集まりアパッチ・グループが誕生した。NCSA httpd 1.3をベースに、いままでのパッチをすべて取り込み、1995年4月にApacheの最初のバージョン0.6.2がリリースされた。ベーレンドルフはこの間の事情をつぎのように語っている。
「 UNIX系のシステムで使われる特別なプログラムで、表面にはあらわれず、バックグラウンド・ プロセスとして重要な役割をはたす。」
Apacheに限らず、オープンソース・開発プロジェクトは分散プロジェクトである。あるいはネットワーク上のプロジェクトとでもいうべきか。つまり開発メンバーは同じ場所にいるのではなく、世界各地にちらばっておりインターネットでむすばれているだけなのだ。この場合、プロジェクトの結束は、何の拘束力も金銭的約束も受けないメンバーの単なる参加意識だけで維持されている。したがって、プロジェクト運営におけるリーダーシップという面では、トップダウン的な指令系統を伴う企業経営型のリーダーシップとは必然的に相容れない。オープンソース・プロジェクトは、 むしろサークルにおけるような調整型のリーダーシップを必要としている。 ベーレンドルフもおそらく、そうしたタイプのリーダーシップを発揮しているのだと思う。
また、分散プロジェクトでは、おのおののメンバーが他のメンバーのじゃまをすることなく、 自分の都合で自由に作業を進められる環境がなければならない。Apacheプロジェクトでは、 ソースコードだけでなく、もろもろの情報をうまくコントロールするために バージョン管理ツールCVS を使っているらしい。情報交換はむろん作業ごとに細分化されたメーリングリストだ。こうしたネットワーク上のコラボレーション・ツールはこれから大きく脚光を浴びるソフトウエア分野だ。
アパッチはオープン・ソースとしてBSDライセンスによって公開されている。 リチャード・ストールマン のGNUライセンスに比べると、ゆるやかなこのライセンスはベーレンドルフ自身の説明によれば次のようになる。
「MPL(Mozilla Public License)はネットスケープ社が、ブラウザのソースコードを Mozillaとして公開するときに定めたライセンス形態で、ソースコードを修正した場合、公開しなければならないが、それがソースコード・ファイル単位なのである。修正していないファイル、まったく新規に追加した部分は公開しなくてもよい。
」
このライセンスはソースコードを使いっぱなしでよく、追加したコードを公開することを 求めてはいない点で最もゆるやかなライセンスとなっている。このほかにMPLライセンス(注2)、 GNUライセンス(注3)などがあり、オープン・ソースの3大ライセンスとなっている。
ベーレンドルフはオープンソース・プロジェクトについて重要なポイントに言及して くれているので紹介したい。
「オープン・ソース運動の教祖であるリチャード・ストールマンが定めたライセンス形態で、 オープンソースコードをちょっとでも使っていれば、そのソフトウエア全体も GNU GPLで公開されなければならない、とする最も過激なライセンスだ。 リーナス・トーバルズ のLinuxカーネルのソースコードもこのライセンスで提供されている。」
これは普遍的に言えることで、畑は違うが4004を作った 嶋正利氏 も「初めに応用ありき、応用がすべてである」と同じ主旨のことを言っている。ただ、何が求められているか、を理解するのは以外と難しい。欲が目を曇らせるのである。時代を読める人は無私であることが多いと思う。
「オープンソースでは、達成しやすい目標に向かってプロジェクトを始めることが重要である。自分たちのプロジェクトがどれだけ有益なものであるかを把握できる前に、そのプロジェクトで市場を席巻できるかを考えるべきでない」
これもよく言われることだが、ベーレンドルフが体験からこうした見解を会得したとすると、 Apacheプロジェクトも成功に至る過程でかなり苦労があったことが推察される。 今後も彼の活躍を期待したい。
UNIX系のシステムで使われる特別なプログラムで、表面にはあらわれず、バックグラウンド・ プロセスとして重要な役割をはたす。
MPL(Mozilla Public License)はネットスケープ社が、ブラウザのソースコードを Mozillaとして公開するときに定めたライセンス形態で、ソースコードを修正した場合、公開しなければならないが、それがソースコード・ファイル単位なのである。修正していないファイル、まったく新規に追加した部分は公開しなくてもよい。
オープン・ソース運動の教祖であるリチャード・ストールマンが定めたライセンス形態で、 オープンソースコードをちょっとでも使っていれば、そのソフトウエア全体も GNU GPLで公開されなければならない、とする最も過激なライセンスだ。 リーナス・トーバルズ のLinuxカーネルのソースコードもこのライセンスで提供されている。
| 「オープンソースソフトウエア」 | クリス・ディボナ/サム・オックマン/マーク・ストーン編著 倉骨彰訳 | オライリー・ジャパン | 1999年7月 | 1900円 |
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| MPLは有名ですが「3大ライセンス」の一つというほど使われてないと思います。Mozilla関係以外に適用されてるケースがあるのでしょうか? ライセンスについては、この辺にリンクを張るのが参考になると思います。 http://www.gnu.org/licenses/license-list.ja.html |
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