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ジェフリ・ベゾス

Jeffrey P. Bezos

1964 -

インターネット書店:アマゾン・ドット・コムの設立者

1999/06/15 掲載

インターネット書店の誕生

かれジェフリ・ベゾスがなぜインターネット書店という発想を持ったかは不明だが、アマゾンは最初のバーチャル書店として大成功した。店舗は1つも無しで、純粋にインターネットからの注文のみで成り立っている。これは一種のダイレクトマーケティングなのだが、カタログをベースにした従来の通信販売とは大きく違っている。アマゾンの一番の武器は約300万件にもおよぶ書籍データベースだ。このデータベースをインターネットで自由に検索することができるようになっている。欲しい本や、好きな著者、興味のあるテーマなどがあらかじめ明確なら、本屋に出かけて探すより圧倒的に目的の本にたどり着きやすいし、第一電車に乗って本屋に出かけるまでもなく自分の席ですぐ見つかるので手間がいらない。

目端の利く秀才

ジェフリ・ベゾスは1986年プリンストン大学を卒業した。専攻は電気工学とコンピュータ科学 だった。今年34歳なので1964年か5年の生まれだろうか。 卒業してニューヨークでFITELというハイテク企業の設立に参加したが、 1988年大手の投資銀行であるバンカース・トラストに入り、 コンピュータを使った資産運用の仕組み作りに大きく貢献した。 1990年には副社長にまでなった。また1990年から1994年にかけて D.E.Shaw&Companyというウォール街の投資会社でヘッジファンドの構築に力をかしている。 1994年シアトルに移り7月にアマゾンを設立した。 1997年には早くも株式市場Nasdaqへ上場をはたした。

世界最大の書店バーンズ&ノーブルの挑戦

インターネットの利点を最大限に活用したアマゾンの成功は、既成の書店の経営を大きく揺らし始めている。1999年4月の日経新聞によるとアメリカの書店第二位のボーダーズのCEOがネット対応の遅れを理由に辞任に追い込まれている。また第一位のバーンズ&ノーブルは1997年5月にバーンズアンドノーブル・ドット・コムという子会社を設立してアマゾンに挑戦を始めたが、思うように伸びていない。しかし注文をネットで集めても本という実物を配送してはじめて完結するビジネスなので、物流システムは意外と大きなウエイトを占めている。この辺になると既存の書店の方が一日の長があり、注文を受けたその日に出荷する "Same Day Shipping"など物流資産のメリットを出しながらバーンズ&ノーブルも競争を続けている。

日本にも進出の意向

ベゾスは書籍販売のビッグマーケットである日本への進出も考えており、パートナー探しを2年ほど前から続けているようだ。しかし日本の書籍流通は再販制度をはじめ、委託配本制度、取次と呼ばれる卸業者が配本のほとんどすべてを取り仕切っているなど特殊な事情があり進出は難航している。特に値引き販売が目玉の一つになっているアマゾンとしては日本の再販制度は目の上のたんこぶのはずだ。こうした日本の特殊性はいずれ無くなるはずのものだが、自助努力でそうなるはずもなく、数年後の日米の貿易障壁テーマに日本の書籍流通制度が案件としてあがることは間違いない。

1999/11/18朝日新聞朝刊によると

アマゾン・ドット・コムは17日日本法人の設立を検討中であると正式に明らかにしたとのこと。日本語のホームページで、日本の書籍も販売するらしい。
(アマゾンサイトのプレスリリースにはまだ載っていない)

2000/07/29日経新聞夕刊によると

年内にも札幌市に顧客サービスセンターを開設し、2001年春には日本語サイトを開く予定だそうだ。アマゾンはすでに日本法人アマゾンジャパンを設立しており、大手の取次や宅配業者と接触中とのこと。

2000/11/02日経新聞朝刊によると

難航していた日本語サイト開設だが、11月1日ついにオープンした。和書110万冊、洋書60万冊を扱うそうだ(年内配送無料)。取り次ぎの協力を得るには苦労したようで、大阪屋から調達するらしい。配送は日通で、「早ければ注文の翌日に顧客のもとに届ける」とのこと。もし本当ならかなりインパクトがあると思う(紀ノ国屋でも1週間はかかる)。
http://www.amazon.co.jp/ アマゾン日本語サイト

多角化の傾向?

最近になって、アマゾンは書籍以外の分野にも進出を図りだしている。これは書籍販売自体がまだ黒字化していない現在では常識的には?が付く行動だが、ベゾスに彼独自の勝算があるのだろうか。今年1999年になって矢継ぎ早に医療品や食料品、ペット販売、ネット競売などのビジネスに資本参加している。ベゾスはどうやらインターネットの百貨店みたいなものをイメージしているようなのだ。これはたぶんあぶないカケになるだろが、最低限「アマゾン」のブランドとは分離して別のブランドを作って進めるべきだと影ながら老婆心が働いてしまう。

2000/02/03付け日経新聞夕刊によると

アマゾン・ドット・コムは1999年第4四半期の決算で、前年同期比で売上高は2.7倍にのびたが、赤字幅も7倍に拡大したと発表した。書籍部門は大規模なデリバリーセンターの建設が一段落したおかげで、初めて黒字化したが、その他の多角化した部門が大幅赤字で、足をひっぱている状態だ。株価は低迷している。そろそろ投資家の我慢の限度に来ていると思う。

参考文献および関連書籍の紹介
激突インターネット書店 日経コンピュータ1997.9.15号 日経BP社 1997年9月  0円
アマゾン・コム日本上陸秒読み!? 週刊朝日99.2.12号 朝日新聞社 1992年2月  0円
ネット書籍販売の米アマゾン売上高4倍2億5000万ドル 1999.1.6日経新聞夕刊 日本経済新聞社 1999年1月  0円
米書店2位ボーダーズCEOが辞任 ネット対応遅れ業績悪化 1999.4.26日経新聞朝刊 日本経済新聞 1999年4月  0円
米アマゾン・ドット・コム ネット販売台風の目に 1999.5.17日経新聞朝刊 日本経済新聞社 1999年5月  0円
食料品ネット販売 米アマゾンが進出 1999.5.19日経新聞夕刊 日本経済新聞社 1999年5月  0円
「アマゾン・ドット・コム」 ロバート・スペクター著 長谷川真実訳 日経BP社 2000年7月  1890円
この項を書いてしばらくしてからアマゾンをレポートした書籍がいくつか出版された。
今話題のロングテールもアマゾンのビジネスモデルから発したものだ。

 

 

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