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Stephen M. Case
1958 -
ポータルサイトの筆頭AOLの共同設立者
1997年4月AOLが日本に上陸したときの顧客獲得攻勢はすごかった。無料のCD−ROMがダイレクトメールで送られてきたり、雑誌の付録についてきたりで、筆者のところにも結局6〜7枚の入会CD−ROMが届いた。1999年1月時点で会員数は20万人を突破したそうで、まだまだニフティなどの大手にはおよばないが確実に日本に根を下ろしたと言えるだろう。
スティーブ・ケースは1958年に米国ハワイ州で生まれた。ウイリアムズ・カレッジを政治学で卒業し、しばらくプロクター・アンド・ギャンブル社(P&G)でマーケティング関係の仕事をしていた。その後1983年オンライン・ビデオゲームを扱う会社に参加し、モデムを使ったゲームのインタラクティブ性に注目するようになった。そして、そのとき知り合った数人と1985年アメリカ・オンラインを設立した。 誰にでもできるインタラクティブ・サービスを目指したのだった。
その当時パソコン通信といっていたサービスを提供していたのは、ザ・ソース、コンピュサーブ、 デルファイとかいったサービス会社だったが、ケースたちのAOLのアプローチは それら先行企業とはかなり違っていた。データベースの情報を充実させることに目が向いていた 他の企業とは違って、AOLは使いやすいサービスを提供すべくエンドユーザーの方 を向いていたのだった。AOLはコモドールや、タンデム、アップル、IBMなどの パソコンメーカーとバンドル契約を結び、それぞれのパソコンブランドごとに独立したサービス を築きあげていった。
1995年のインターネットのブレイクにはパソコン通信会社は一般的に鈍感だったと思うが、 AOLは素早く対応し、インターネットを主体にしたサービスに急速に移行した。 その頃からいままで個別のサービスとして知られていたものを"アメリカ・オンライン"という ブランド名で統一するようになっている。1998年末の会員数は実に1510万人 (買収したネットスケープの分も入れると1700万人を越える)で、 売上高は9億6000万ドルに達する。内訳は、会員の月額基本料金が7億7900万ドル、 広告収入、オンライン取引手数料で1億8100万ドルとなっている。時代は変わり、 かつての競争相手コンピュサーブは現在AOLの翼下にいる。
米国AOLは1998年第四四半期の決算で純利益が4.4倍になるなど絶好調で、 1999年2月8日時点の株主に対して1株を2株に分割すると発表した。株式分割は 日本でもバブル最盛期にはよく行われたが、1株を1.25株とか比較的ケチな分割 が多かったように記憶している。今日本は構造的大不況のまっただ中だが、 経済戦争に勝ったアメリカは絶好調でAOLばかりでなくマイクロソフト、IBM、サン、 ヤフーなど大所が次々と株式分割を(それもどんと2倍にする大盤振る舞い)発表している。
1998年11月24日米国AOLがネットスケープ・コミュニケーションズを約42億ドルで買収すると発表して話題をまいたことはまだ記憶に新しい。買収に際しては、ネットスケープ社の誇りを傷つけないように臨時ボーナスを約束するなどケースは気を使っている。あまりにも文化が違うので懸念されていた マーク・アンドリーセン氏の去就もAOLに残ることで落ち着いたようだ。ポータルサイトの覇権を巡っての熾烈な争いはまだまだ続きそうだが、反トラスト法裁判で動きが鈍っているマイクロソフトを後目にサン・マイクロシステムズとAOLが元気いい。
AOLとタイム・ワーナーが合併するということなのだ。これはAOLのスティーブ・ケース氏からタイム・ワーナーのジェラルド・レビン会長に電話をかけたことから話が進んだらしい。タイム・ワーナーは翼下に大手レコード会社や、ケーブルテレビ網、それにCNNをもつ巨大メディア企業で、名門中の名門だ。それを今回の合併は事実上AOLがタイム・ワーナーを吸収する形になるという。驚いたというほか言葉がない。
会社の寿命が極端に短いインターネットの世界ではAOLとても今後の予断を許さないが、 スティーブ・ケースの次のような信条を見れば、なぜAOLが今の成功を見たかも解ってくる。 「世界を動かす巨人たち」から彼のインタビューを引用したい。
「....ユーザーに毎月の支払いを強要するのではなく、何かを一度でもやってみたいという気にさせるほうがいいのです。......」
「オンライン・インタラクティブ・サービスを大多数の人が使うようになるはずだと信じるのは、 それが人々の生活を根本的に拡張するからです 」
「異なる家族、異なるコミュニティ、異なる国に関して、何が適切で何が適切でないかを決められるような、神様の役目をするつもりはありません。この新しいメディアの重要な特徴のひとつは、インタラクティブであるとともに個人個人で使えるというところにあります。従来のメディアのように、みんなが何を読んだり見たりすべきかを一部の編集者やプロデューサーが決めるものではない。そのことを私たちは認識すべきです」
| 「世界を動かす巨人たち」 | ラーマ・D・ジェイガー/ラファエル・オーティズ 日暮雅通訳 | トッパン | 1998年3月 | 2200円 |
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| シリコンバレーの16人の起業家 | ||||
| 米ハイテク企業 株式分割相次ぐ | 1999/01/28日経新聞夕刊 | 日本経済新聞社 | 1999年1月 | 0円 |
| 米AOL、純利益4.4倍 | 1999/01/28日経新聞夕刊 | 日本経済新聞社 | 1999年1月 | 0円 |
| 米クリスマス商戦売上高ネット通販10億ドルの大台」AOLが普及裏付ける調査結果 | 1999/01/05日経新聞夕刊 | 日本経済新聞 | 1999年1月 | 0円 |
| AOLジャパン会員20万人突破 | 1999/01/22日経新聞朝刊 | 日本経済新聞社 | 1999年1月 | 0円 |
| 米インターネット業界 企業の集約加速 | 1999/02/08日経新聞夕刊 | 日本経済新聞社 | 1999年2月 | 0円 |
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