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Endo Masanobu
1959 -
アーケード・ゲームの名品:ゼビウスの作者
1983年にナムコから登場したアーケード・ゲーム「ゼビウス」は、縦スクロールのシューティング・ゲームとして多くのゲーマーを魅了した。斬新で、しかも初心者も上級者もともに飽きさせない魅力をもったゲームだった。このゲームを作ったのが、当時入社したばかりの若者、遠藤雅伸氏だ。
遠藤雅伸氏は1959年日本国の東京に生まれた。1981年千葉大学工学部画像工学科を卒業した。 成績優秀だったらしく大学院に残るように進められたが、活気のある職場をめざして就職を決意した。 テレビ局とか出版社、おもちゃメーカーなど色々当たったらしいが、 結局当時パックマンのヒットで成長期に入っていたナムコが採用してくれた。 入社すると、研修でデパートの屋上にあるモノレールの運転手などをやった後、ビデオゲームの開発セクションに配属になる。1983年に処女作「ゼビウス」が完成。その後「ドルアーガの塔」シューティング2作目「グロブダー」、アーケード用のRPG 「イシターの復活」などを手がけ、1985年にナムコから独立し株式会社ゲームスタジオを設立した。 (「イシターの復活」は独立も制作を続け1986年に完成した)
入社当時、遠藤氏は回路設計やプログラミングなど全然知らなかったので、 勉強しながら覚えたとのこと。「ゼビウス」はベトナム戦争をモチーフにした小さな企画からスタートした。社内ではあまり期待されていないプロジェクトで、おまけに初期の段階でプロジェクトリーダーがアフリカへ旅立ってしまい、新入社員の遠藤氏一人が取り残された格好になってしまった。後は好きなようにしなさいと言われ、遠藤氏の独壇場の世界になったようで結果的にはそれがよかった。アニメで動く六足歩行戦車 や、ある場所に爆弾を落とすと出現する 隠れ要塞 、ゼビ語と呼ばれた 謎解きシステム など遠藤氏の思い入れを遠藤氏が作り込みゲームはどんどん遠藤ワールド化していった。とくに遠藤氏は自分が初心者なので、初心者にも100円分は少なくても楽しんでもらえるように工夫した。上手なプレーヤーには強い敵が現れ、逆に初心者には加減した攻撃をするような仕掛けや、 最初の30秒はどんなことをしても死なない ように作ったというゲームシステムがそれだ。後半社内の応援も得られて「ゼビウス」は完成した。そのとき、 かなりいけるゲーム に仕上がっていた。
遠藤氏は独立してゲームスタジオを設立してから、「機動戦士Zガンダム」や 「ウイザードリィ」「ファミリーサーキット」などファミコン用のいわゆるコンシューマ・ゲームに参入した。アーケードとコンシューマの両方の制作を体験した遠藤氏はアーケードの魅力も棄てがたいという。俳優に見立てれば舞台と映画の違いといったところが、アーケードとコンシューマにはあるのだろうか。アーケードはプレーヤーの反応が生で見られるのと、お金と時間の勝負なので、しょっぱなからインパクトのある仕掛けで飽きさせない工夫がしてある。その点、コンシューマ・ゲームはかなり長時間プレイするのが前提なので、長編小説のような作り込みが多く、買った人が実際にどこまでプレイしてくれたかは制作者にはまったくわからない。したがって、何本売れたかが唯一の目安となって、大作の続編ばかりが制作されることとなっている。この辺が”最近ゲームがつまらなくなった” と一部でささやかれる原因かもしれない。
だったら、コンシューマ・ゲームもアーケードでテストプレイできるようにすべき ではないだろうか。そうしてプレーヤーの本当の反応を確かめ、制作にフィードバックする必要があるのではないだろうか。しかし、こうしたおきて破りのやり方は既存のメーカーにはやはり無理で、新しい勢力の登場を待たなければならないのだろう。たとえばディスコがアーケードに参入するとか。
遠藤氏がゲームのことを何もしらないうちにゲーム制作をまかされたのが「ゼビウス」 成功の要因だったと思う。 革新は無垢からもたらされる 、と言ったのは誰だったか忘れてしまったが、当たっている。
| 「スーパーヒットゲーム学」 | 飯野賢治著 | 扶桑社 | 1998年6月 | 1333円 |
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| 飯野氏は意外だが聞き上手だ。かれのインタビューはおもしろい | ||||
| スペシャル対談 | ゲーム批評1999年9月号 西角友宏 VS 遠藤雅伸 | マクロデザイン出版局 | 1999年9月 | 780円 |
| 「小説 ゼビウス―ファードラウト サーガ 」 | 遠藤雅伸著 | 双葉社 | 1991年8月 | 971円 |
| ゼビウスのバックグラウンド・ストーリーを作者が書き下ろしたもの | ||||
| 「電子ゲームの快楽」 | 遠藤雅伸/安田均/中沢新一/武田青嗣 | ソフトバンク | 1987年9月 | 1200円 |
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