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Steve Paul Jobs
1955 -
パソコンの貴公子:アップルの共同創業者
1988年アップルコンピュータは、ウインドウズに「ルック・アンド・フィール」 を盗まれたとして、マイクロソフトを提訴した。 この訴訟は結局マイクロソフトの勝訴となったが、 ちまたではアップルもPARCから盗んだじゃないかといっていた。 むろん盗んだというのは間違いで、あの頃は誰もがそういうパソコンを夢見ていた。 ただそんな物ができるのは何十年もさきの話と考えていただけだった。 1979年ジョブスはゼロックスのパロ・アルト研究所を見学した。そこで伝説のALTOのGUIを見たのである。彼はこのとき、これは最高だ、革命だと叫んだと伝えられている。何十年も先の世界が目の前にあったのだった。そして、それから5年後の1984年すべてをGUIで行えるコンピュータ「マッキントッシュ」がアップルから発売された。
スティーブ・ジョブスは1955年米国カリフォルニア州ロス・アルトスで生まれた。地元のホームステッド高校を卒業して、1972年オレゴン州ポートランドのリード・カレッジに入学したが1学期だけでやめてしまった。しかしそのままキャンバスに住み続け、コンピュータゲームのアタリ社に入社、その間にインド旅行をしている。そのころはヒッピーの時代だった。
彼はある雑誌のインタビューで、自分を「新しい宇宙飛行士」だと考えているかと聞かれて、次のように答えている。
「いや、いや、僕は、セーヌの左岸、リーブ・ゴーシュに集まる二流詩人のひとりになった方がいいような類の人間ですよ。いわば脱線してここへ来ちゃったて感じです。宇宙飛行士たちは初めから技術人間なんですよ。ジョン・グレンはランボーなんか読んでませんよね。でも現在コンピュータの仕事をしている人たち何人かと話してみると、ここ一世紀ほどの思想の流れや60年代の社会学の伝統に良く通じてますよ。何かが起こってるんです。何かが世界を変えつつある。そしてここがその中心地ってわけです」
彼は技術家ではなかったようだが、技術に夢を見られる人間だった。 ホームブルー・コンピュータ・クラブで、スティーブ・ウオズニアックの創ったコンピュータに夢を見いだした彼は、ウォズを誘ってAPPLE-Iと名付けたウォズのコンピュータをホビイストに売った。そして改良版のAPPLE-IIをウォズはつくり、ジョブスはこんどは一般市場に出すために奔走した。1977年に会社も法人化し、ベンチャーキャピタリストを通じてフェアチャイルド・セミコンダクター社からマイク・スコットを社長に引き抜いた。会社を運営する実務能力のある人たちが集まってきて、用意万全、 APPLE-IIはパソコン時代の幕開けを告げるように大ヒットしたのだった。
スティーブ・ジョブスはその後、自分が引き抜いて社長にしたジョン・スカリーにアップルを追われ、 すぐにロス・ペローと組んでNeXTを立ち上げた。 この事業は結局失敗したが、彼の経歴に傷つくはずもなく, 現在は不振にあえぐアップルの救世主としてアップルコンピュータのCEOに返り咲き、 彼のプロモートしたiMacはセンセーションを巻き起こしている。まったく不思議な人である。 稀代の大ほら吹きのように言う人もいるが、彼の周りはお金が集まり、人が集うのである。
今も仕事上でやむなくウインドウズも使っているが、マックが一番という人は多い。 マック文化は学校、出版、イラスト系などの分野で根強く生きているのである。
蛇足になるが、ジョブスは1986年からピクサーのCEOもしている。ピクサーは 1995年11月に公開され、 最初の本格的フルCGアニメーション映画として大好評だった「トイストーリー」の 制作元である。彼のこうした多元的とも思えるビジネス感覚は、他の企業家にはなかなか 見受けない種類のものを含んでいる。
ピクサーは98年11月25日に全米で封切りになった2作目のフルCGアニメーション「バグズライフ」はまたまた大評判になっているらしい。「バグ」とはプログラミングする人ならだれでも知っているが「虫」のことで、バッタの来襲を追い払おうとする虫たちのお話だ。日本公開は3月中旬の予定。
日経新聞夕刊によると、ジョブス氏は2年以上続いたアップルの”暫定”CEOを解消して、やっと正式CEOになったそうだ。彼にとってこの永い暫定はいったいどんな意味があったのか不明だが、ピクサーとアップルという2つの会社の掛け持ちCEOという離れ業を行うことになる。ジョブス氏ますます元気だ。
二人の力:アップルコンピュータの創業のページもご覧ください
| スティーブ・ジョブスの道 | ランドール・ストロス | エーアイ出版 | 1995年11月 | 2500円 |
|---|---|---|---|---|
| 「ハッカーズ」 | スティーブン・レビー著 古橋芳恵/松田信子訳 | 工学社 | 1987年3月 | 2575円 |
| 「コンピュータウォリアーズ」 | R・レヴェリング/M・カッツ/M・モスコウイッツ | アスキー出版局 | 1986年1月 | 2500円 |
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