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ロバート・ノイス

Robert Noyce

1927 - 1990

インテルの創設者:シリコンバレーの元祖

1998/08/31 掲載

シリコンバレーの主(ぬし)

ロバート・ノイスはシリコンバレーの主(ぬし)的な存在である。ノイス等が起こしたフェアチャイルド・セミコンダクター社からは、後に何十という企業が独立して半導体事業をするようになり、この地域はまもなくシリコンバレーと呼ばれるようになった。その後、ノイスがゴードン・ムーアと共に起こしたのがインテルで、現在のパソコンはインテルのマイクロプロセッサとともに発展してきたといっても過言ではないだろう。

その頃トランジスタが発明された

ロバート・ノイスは1927年米国アイオワ州バーリントンで生まれた。子供の頃は地下の工作室で実験して遊んだ。ごみ箱を漁るのが得意で、古い洗濯機のモーターを自分の自転車に取り付けたりした。グリンネル大学に入学。その頃トランジスタが発明され、大学でたまたま使う機会にめぐまれて衝撃を受けた。

ショックレー研究所 8人の裏切り者

1956年トランジスタの発明者のウイリアム・ショックレーがノイスに直接電話をかけてきて、彼のショックレー研究所にこないかと誘ってきた。この信じられない幸運にのって、すぐにカリフォルニアのパロアルトにある研究所の隣に引っ越した。しかし、しばらくしてショックレーが経営者としての資質を欠いていることが分かってきて、ショックレーと意見が合わないメンバーが次々と辞めていくなか、1957年他の8人と新会社フェアチャイルド・セミコンダクターを設立した。のちにショックレーから「8人の裏切り者」と呼ばれたらしい。

フェアチャイルド・セミコンダクター

設立時に資金集めの援助をしたのがハイドン・ストーンという投資銀行にいたアーサー・ロックで、彼はこれを契機にいわゆるベンチャーキャピタリストになっていく。資金提供に応じたのはフェアチャイルド・カメラ・アンド・インスツルメントだった。彼らの会社は一年後「二重拡散シリコン・トランジスター」を発売し順調に売上を伸ばした。

プレーナー特許とIC(集積回路)の誕生

トランジスタの表面を酸化シリコンの皮膜で覆うプレーナー法を特許申請する際、ICのアイデアが生まれた。この辺の事情を日本経済新聞に1995年2月に掲載された ゴードン・ムーアの「私の履歴書」から引用したい。

「話を聞いたこの弁理士の次のような質問が、IC発明のきっかけだった。「このアイデアでほかに何か出来るのではないか」ホーニー氏の発明に何か引っかかるところがあったノイス氏は、この提案を正面から受け止めた。そのうち「酸化膜で覆うことで汚染を防げるのなら、シリコンウエハーの上のトランジスタに細工をして接続ワイアを付けることもできるのではないか」と思い付いたのだ。一つのウエハーに複数のトランジスタや抵抗器をのせるーーICの誕生の瞬間だった。」
私の履歴書(ゴードン・ムーア)より

インテルの設立

親会社の方針と折り合いがつかなくなってきたノイスは1968年ゴードン・ムーアと共にフェアチャイルド社を出て、インテル社を設立した。このときの資金調達もアーサー・ロックが受けもったが、2人の名声で資金集めは楽だった。多くの若い優秀な人たちが集まってきた。彼らは経験はなかったが、大幅に権限を与えたことで会社全体のことを考え会社とともに彼らも成長していった。インテルは1970年に世界初のDRAMを出荷した。

マイクロプロセッサの誕生

世界初のマイクロプロセッサ4004には日本が絡んでいるのはよく知られている。発端は電卓メーカーの日本計算機販売(ビジコン)が高機能電卓のため、1969年インテルに13種類のカスタムICを発注したことだ。当時インテルは3種類の生産ラインしかなかったので、スタンフォード大学から入社していたテッド・ホフが1つのチップに論理回路を集積するアイデアを提出、ビジコンと共同開発ということで日本から嶋正利氏が参加して4004が完成した。当初販売権はビジコン社に属していたが、それを取り戻しマイクロ・プロセッサでインテルはその後大成長を遂げた。

ノイスは1974年第一線を退いたが、日本との半導体交渉などに活躍していた。1990年自宅のプールで水泳をした後体調を崩し急逝した。

参考文献および関連書籍の紹介
私の履歴書 ゴードン・ムーア ゴードン・ムーア 日本経済新聞社 1995年2月  0円
「インテルとともに」 ゴードン・ムーア 玉置直司取材・構成 日本経済新聞社 1995年6月  1600円
副題 私の半導体人生
「コンピュータの英雄たち」 ロバート・スレイター 朝日新聞社 1992年7月  2300円
コンピュータ関連の人物紹介としては古典的な本で、ふつうは取り上げないような基礎的な仕事をした人コンラッド・ツーゼやジェイ・フォレスターなどていねいにとりあげているので非常に参考になる。
インターネットソースの紹介
IEEEのノイス紹介ページ(別ウィンドウ)
http://www.ieee-virtual-museum.org/collection/people.php?id=1234633&lid=1

 

 

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